『かがみの孤城』キャラの性格が映画とちがう?原作・漫画と比較してみた!

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映画『かがみの孤城』に登場した個性豊かなキャラクターたち。

「このキャラ、原作でも同じ性格なの?」「漫画だと印象違うのかな?」と思った方も多いのではないでしょうか。

実はキャラクターによっては、映画と原作・漫画で性格や雰囲気が大きく違って見えることも――!

今回は、“城に招かれた7人の仲間たち”を中心に、原作小説・映画・漫画での描かれ方の違いをキャラクター別に紹介します!

この記事には『かがみの孤城』映画や原作小説、漫画のネタバレを含みます。

また、キャラクターの印象や性格の表現には、描写をもとにした筆者の個人的な解釈が含まれる部分もあります。

必ずしも作中で明言されているものではないことを、あらかじめご了承ください。

目次

『かがみの孤城』映画だけじゃわからない!キャラの“もうひとつの顔”

原作小説『かがみの孤城』では、キャラクターたちの背景や心の動きがとても丁寧に描かれています。

漫画版は原作をベースに、表情や演出がよりリアルに。

一方で映画は、ストーリーのテンポや尺の都合もあり、性格や言動がマイルドになっていたり、背景がカットされていることも。

あとり

原作みたら、“この子こんなに濃かったっけ!?”ってなるやつ!
あるある~

映画だけ観た方も、原作や漫画を知ることでキャラの“意外な一面”に気付けるかも?

ここからは、城に招かれた7人のキャラクターを一人ずつ紹介していきます!

スバルの正体は“問題児”?映画とまるで別人な素顔!

映画『かがみの孤城』では、スバル=物静かで紳士的な男の子というイメージが強いですよね。

けれど金髪に変わったあたりから、「この子、実は何者……?」と気になった人も多いのでは。

あとり

映画だけじゃよくわかんなくない?
“いい人”で終わっちゃってたよね~

原作や漫画を読むと、スバルには驚くような背景や、思わず“えっ”となる一面があったことが見えてきます。

この章では、そんなスバルの“本当の姿”を、原作と漫画から紐解いていきます!

原作スバルは“大人びすぎた子ども”だった

原作のスバルは、紳士的で丁寧な口調はそのままですが、物静かすぎるわけではなく、むしろコミュニケーション能力が高い印象。

一番最初にこころが打ち解けた相手でもあり、彼の言葉には安心感があります。

ただしその一方で、家庭の事情や兄との関係、性的に早熟な面など、大人びた部分も垣間見えます。

同世代のなかでは少し浮いてしまいそうな、その“成熟しすぎた感じ”も彼の個性のひとつ。

髪を脱色してからは、中身は変わっていないのに“見た目だけ”が派手になったことで、周囲の見る目が一変。

前より城に来る頻度が減り、空気が張りつめるような場面も描かれます。

そんな中でも、ふだんは優しい言葉を使うスバルが、ときに核心を突くような鋭い言葉を投げかける場面も。

原作では、こうした彼の複雑な姿がじっくりと描かれているのが印象的です。

映画スバルは“事情の見えない金髪キャラ”に

映画でのスバルは、登場シーンやセリフが少なく、家庭の事情もほとんど描かれていません。

“ストーリーを進めるためだけの役割”的な立ち位置にとどまっていて、金髪にした理由や学校に行けない背景も語られないままです。

原作で見せる少し毒のある言い回しや、仲間との微妙な距離感も省かれ、
「物静かで優しいキャラ」という一面だけが切り取られた印象になっています。

結果として、スバルの人物像は最後までぼんやりとしたまま。

映画だけでは「結局どんな子だったの?」というモヤモヤが残った人も、少なくないかもしれません。

漫画版スバルは“原作らしさ+リアル”で再現

漫画版では、原作に忠実な性格描写に加えて、見た目や言葉づかいからにじみ出る“現実感”がより強調されています。

金髪姿も、映画のような“オシャレ染め”ではなく、どこか不良っぽい雰囲気。

見た目と性格のズレによって生まれる“戸惑い”もリアルに描かれており、特にマサムネはその変化を受け入れきれず、距離を取ろうとする場面も。

「一発ぶん殴る」といった発言や、“メリケンサックを所持していた”とわかる描写も登場。

冒頭の武器回収シーンでは誰の物か明かされませんが、終盤のスバルの家の場面で、それが彼のものだったことがさりげなく描かれています。

スバルの兄が喧嘩に巻き込まれやすい人物として描かれていることもあり、
その“頭数”として使われていたような描写とあわせて考えると、彼の置かれていた状況の厳しさが伝わってきます。

【スバルまとめ】映画と原作&漫画で“別人級の違い”

スバルは、映画での描写がかなり少ないキャラクターのひとり。

だからこそ、原作や漫画を読むと「えっ、こんな子だったの!?」と驚かされます。

特にマサムネとの関係は、映画ではさらっと触れられるだけですが、
原作や漫画ではスバルの想いや背景が丁寧に描かれていて、その印象も大きく変わってくるはずです。

あとり

原作読めば、“あのセリフ”も“金髪”も、ぜんぶつながるかも!

アキの性格、映画よりキツめ!?原作・漫画で見せる“強さと繊細さ”

映画では、しっかり者で堂々としていて、人付き合いも上手そうだったアキ。

でも「なんで学校に行けなかったんだろう?」と、ちょっと不思議に思った人もいるのではないでしょうか。

実は原作や漫画では、そんな彼女の内面にぐっと踏み込んで描かれていて、
ちょっと扱いにくい一面が見えてくることも――。

あとり

頼れるお姉さん、だけじゃなかったんだね……!

この章では、アキというキャラクターが原作・漫画と映画でどう違って見えるのか?を比較しながら紹介していきます!

原作のアキは気遣い上手、だけど空気ピリつかせがち

原作のアキは、明るくてコミュ力も高く、学校では中心人物のような存在。

物おじせずハッキリ意見を言い、面倒見の良さや気遣い上手な一面もあります。

ただしそのぶん、強気な態度やきつめの発言が空気をピリッとさせてしまう場面も。

髪を染めてからはファッションや話題もどんどん派手になり、
年上彼氏(23歳)との交際をわざと話題に出して周囲を困らせることも増えていきます。

嫌みっぽくマウントを取るような発言もあり、次第に内面的な“自分本位さ”も目立つように。

そんなアキの変化が、少しずつ周りとの関係にも影響を与えていくようになります。

映画のアキは性格も言葉づかいもマイルド化!

映画版のアキは、原作の快活な性格をベースに、言葉づかいや態度がかなり柔らかく調整されています。

面倒見の良さやリーダーシップはそのままですが、周囲との衝突や嫌味っぽいセリフはカットされ、姉御肌で頼れるサバサバ系の優等生のような印象に。

原作のように、調子に乗ったり私生活をひけらかしたりすることはなく、感情的に周囲を困らせるような場面も見られません。

漫画のアキ、彼氏できたら豹変……

漫画版では、アキの“強気な性格”がさらにわかりやすく見た目にも表れています。

とくに髪を染めたあとの彼女は、まるで人が変わったかのような印象で、
彼氏ができて浮かれている時期は、発言も態度もかなり強烈。

こころのようなタイプにとっては、ちょっと近寄りがたい雰囲気だったかもしれません。

ですが、彼との別れをきっかけに少しずつ言動も落ち着いて、本来のサッパリしたアキらしさが戻ってきます。

映画よりも、年齢以上に大人っぽく描かれているのも特徴です。

【アキまとめ】映画は“マイルド版”、原作ではその後まで描かれる

映画のアキは、原作の性格からトゲのある部分を取り除いた、“いいとこ取り”のキャラクターという印象。

でも、原作や漫画で描かれる「調子に乗ってしまったときの素のアキ」を知ると、映画のラストがさらに心に響くかもしれません。

あとり

なるほど、映画のアキは
“マイルドver.”ってことか~

ちなみに原作や漫画では、アキの“その後”――喜多嶋晶子先生になるまでの道のりも描かれていて、
映画だけでは見えてこない“彼女の人生の続き”にも注目です。

こころの不安、映画では描かれなかった“気をつかいすぎる日常”

映画のこころは、物静かで内気な性格。

思ったことを口に出来ず、周囲に気を遣ってはひとりで悩みを抱えてしまう……そんな繊細な子として描かれています。

でも原作では、その“気を遣っている理由”“心の声”が丁寧に描かれているのが大きな違い。

誰かと話すときも、ふとしたやりとりの中でも、「どう思われるか」が気になって仕方ない――
そんなこころの姿に、共感する人も多いはずです。

あとり

映画では“おとなしい子”に見えてたけど、
心の中ではずっと気を張ってたんだ……!

この章では、主人公・こころが作品ごとにどんなふうに描かれているのかを比べながら、
見た目だけではわからない“心の奥”をたどっていきます。

原作で描かれる、こころの“ほんとの気持ち”

原作のこころは、常に人の目を気にし、物事を悪い方向に考えてしまう、かなりの慎重派。

「こう言ったらどう思われる?」「なんて言い訳しよう?」といったネガティブな思考が、物語の語りを通して繊細に描かれています。

ゲーム好きな一面もあり、最初に仲良くなったのは実はスバルとマサムネ。

二人の男子とテレビゲームで遊ぶ時間は楽しいものの、「女の子たちにどう思われるだろう」と気にしてしまう場面も。

逆に、アキやフウカといった女子たちとはなかなか距離を縮められず、積極的に話しかけてくれるアキにさえ気を遣う様子も。

学校で受けたいじめの経験から、女子同士の空気感にどこか怖さを感じているのかもしれません。

打ち解けたあとも、ピリつく空気にはとても敏感。

とはいえ、マサムネとは本気でぶつかって普通に喧嘩もできるあたり、男子との方が気を張らずにいられるのかもしれませんね。

映画では“心の声”が描かれない?

映画のこころも、基本的な性格に大きな違いはありません。

ただし、視点キャラではないため、原作ほど繊細な心の動きは描かれず、“感情の揺れ”がコンパクトにまとめられている印象です。

たとえば、ウレシノに好意を寄せられたとき。

原作では、「それを拒んだことで、好意が悪口に変わるかもしれない」というような不安な心の声が語られます。

一方、映画ではそうしたモノローグはなく、戸惑ったような表情が描かれるだけです。

さらに、スバルやマサムネとの交流も描かれていないため、最初から女子の輪に自然と溶け込んでいるような印象に。

原作で感じられたような「気を遣いながら会話していた空気感」はあまり表現されていません。

映画だけを観た人には「控えめだけど落ち着いている子」「案外、ちゃんと人づきあい出来てる子」と見えるかもしれませんが、
原作ではもっと慎重で、不安を抱えながら少しずつ関係を築いていく姿が丁寧に描かれています。

漫画版こころのビジュアルと内面の印象は?

こころの漫画版ビジュアルは、原作イメージに忠実。

不安げな表情や、言葉を選ぶような視線の動きなど、繊細な内面がビジュアルでも伝わってきます。

「控えめな子」というよりも、ストレスや不安を感じているときにこそ、そう見える子。

安心できる場面では、笑顔でお喋りを楽しんだり、普通の中学生らしい姿もちゃんと描かれています。

【こころまとめ】“気遣いすぎる子”の本音は原作で見えてくる

映画のこころは、自分を責めるような思考や、人にどう見られるかを気にする様子がカットされているぶん、
“本当の繊細さ”が伝わりにくいキャラクターになっているかもしれません。

原作を読むと、慎重で繊細なこころがどんなふうに周囲と関係を築いていったのか、もっと深く理解できるはず。

物語を通して彼女が変化していく姿にも、より大きな意味が感じられるようになります。

マサムネの“見えっぱりな嘘”、漫画版では泣けるキャラに!

マサムネは、ゲーム好きでちょっと無愛想。でも、どこか印象に残る、不思議な存在感のあるキャラです。

映画では、つっけんどんな物言いや、突然の“いじめ”シーンが印象的で、
終盤の「嘘つき」呼ばわりには、心がギュッとなった人も多いかも。

あとり

マサムネ……なんであんな急に責められてたの?
映画だけじゃ、よくわかんなかったよ~!

実は原作や漫画では、“嘘”の背景や、マサムネの本当の気持ちが、もっとしっかり描かれているんです!

原作マサムネは“ひねくれた中二男子”

原作のマサムネは、映画よりずっとクセが強め。

つっけんどんで、嫌みっぽくて、ちょっと上から目線。
どこか“わかってる風”に話す、中二病っぽさ全開のキャラです。

学校や世間への皮肉を言ったり、本心と反対の態度をとったり――
まさに、思春期男子のこじらせ感が詰まっています。

でも、こころたちもそんな彼を遠ざけるわけではなく、「素直じゃないけど悪いやつじゃない」とわかって付き合っている様子。

原作では、自分のゲーム機を持ち込んでみんなと遊んだり、「友達と一緒にゲームをする時間が好き」な面も見せています。

映画マサムネ、あのセリフは実はホラだった!?

映画のマサムネは、原作ほど強いクセは感じられません。

少し皮肉っぽさはあるものの、落ち着いたトーンで話す場面が多く、「パラレルワールド」の説明役として冷静さを保っている印象。

こころたちとの会話も、トゲが少なく、映画だけを観た人には「真面目なちょっと口の悪い子」くらいに見えるかも。

「ホラマサ!」といじめられる描写はありますが、
“嘘つき”の背景はほとんど説明されないため、ちょっと唐突に感じる展開になっています。

ただ、見逃せないのがこの台詞。

「今、超売れてるプロフェッサー・ナガヒサのゲームで、

オレの知り合いが知り合いで、特別に先行モニターもやった」

映画『かがみの孤城』より

これ、よく聞くとちょっと怪しい話ですよね。

原作ではこれが“ホラ”だったと明かされる場面がありますが、
映画ではそこが描かれないため、真相を知らないと少し置いてけぼりに。

漫画では“表情で伝える”マサムネの物語

漫画版のマサムネは、言動こそ原作寄りですが、表情や間の描写が細かく、感情がにじみ出るのが大きな違い。

強がっていても、目元がどこか不安げだったり、こみ上げる想いをぐっとこらえていたり……
“実は素直じゃないだけ”というのが表情で伝わってくるんです。

そして、特に印象的なのが――彼が「嘘」をつくようになったきっかけ。

漫画では、「気が合いそうな友達がほしくて、ゲームをもうクリアしたって言っちゃった」という、ほんの些細なきっかけが描かれます。

それが少しずつエスカレートして、気づけば学校でも城でも「すごい自分」を演じていたんです。

誰かに認めてほしい気持ちが、から回ってしまった――
そんな等身大のマサムネが、漫画ではしっかりと伝わります。

漫画版おすすめポイント!

泣き顔がずるいほどリアルで、
強がりなマサムネの素顔が見えてきます。

“言葉じゃなく表情で伝わる本音”に、ぜひ注目してみてください!

【マサムネまとめ】“ひねくれキャラ”から“泣ける存在”へ

映画では少し淡々とした印象のマサムネ。

でも、原作ではその裏にあるこじらせた優しさが見えてきて、
漫画ではそれが表情でちゃんと伝わるキャラとして描かれています。

自分をよく見せたくてついた“ホラ”が、気づけばどんどん重くなって、自分を苦しめることに。

本当の気持ちをうまく出せない、ちょっと不器用なだけだったのかもしれません。

あとり

ちょっとめんどくさいとこもあるけど……
やっぱマサムネって、放っとけないんだよね~!

リオンは“爽やか王子”だけじゃなかった!気づいてた少年の静かな決意

リオンは、爽やかなスポーツ少年

映画では“さっぱりしていてイケメン”な印象が強いキャラですが、
実は物語の中で、一番早く「あること」に気づいていた少年でもあるんです。

それは――オオカミ様の正体が、自分の姉・ミオなのではないか?という“予感”。

映画でも、オオカミ様にじっと目を向けたり、ふと気になるひと言を口にしたり……
ちょっとだけ「何かに気づいてる?」ような空気がただよう場面がありました。

あとり

リオン……なんでそんな目でオオカミ様見るの?
なんか、気づいてたのかな……

原作や漫画ではその描写がもっとはっきりしていて、
リオンはオオカミ様のふるまいや言葉の節々に、姉・ミオの気配を感じ取っています。

でもその気づきを誰にも言わず、最終日に“願い”を叶えるために、そっと動いていたんです。

原作では“ズレ”にいち早く気づいていたリオン

原作のリオンは、明るくてさっぱりした性格だけど、ちゃんと物事を見ていて、ちゃんと考えている――
そんな“素朴で落ち着いた子”として描かれています。

それは「勘が鋭い」というより、大好きだった姉のことを忘れられない弟の目線

この城で起こる不思議なできごとに、どこか姉のぬくもりを感じていたからこそ、
他の誰よりも早く“物語のからくり”に近づいていったのです。

そしてリオンは、「姉をこの世に帰したい」という願いのために、鍵の場所に気づいたことも、そっと心の中にしまっていたのでした。

日常のなかでは、マサムネたちとゲームで盛り上がったり、ウレシノの恋バナには無関心だったり。

自然体でそこにいる感じが、心地よいキャラです。

映画では明るさの裏に小さな影がのぞく

映画でのリオンは、明るさと落ち着きのバランスがあり、なんでもうまくこなす子のように映ります。

サッカー留学でハワイに住んでいて、どこかリゾートっぽい空気感の、さっぱりした少年です。

そんな彼にも、一瞬だけ見せる“影”があります。

それは、姉が亡くなったあと、母親にかけられたひと言。

「あなたは本当に元気で、いいわよね」

映画『かがみの孤城』より

まだ幼いリオンに向けて、まるで存在そのものを責めるような、皮肉めいた言葉。

そして、物語のラストで彼が語る決意――

「おれ、どうにかやってみる。自分のやりたいことはちゃんと言うし、嫌なことも嫌だっていう。

母さんのことも――」

映画『かがみの孤城』より

それは、今までずっと自分の気持ちを呑み込んできた少年の、静かな覚悟だったのかもしれません。

漫画ではリオンの“こらえた気持ち”が伝わってくる

漫画版のリオンは、ビジュアルも性格も、原作の素朴さと映画の爽やかさをバランスよく引き継いだキャラです。

原作ベースの気取らない態度で、親しみやすい、カラッとした少年として描かれつつも、
気づいたことを黙って抱える、芯の強さがにじんでいます。

注目したいのは、母とのやりとりや姉への想い。

亡くなる直前の姉に「元気で母のそばにいて」と言われ、その言葉に応えようとしていたリオン。

でも、どれだけ努力しても返ってくるのは――
「あなたは元気でいいわよね」という、そっけない言葉ばかり。

漫画版では、そんなリオンの静かな苦しみが、表情や仕草にも丁寧に描かれています。

「元気でいても、オレじゃ役に立たなかったよ」
――そう思いながら、ひとり静かに涙を流す場面は、特に印象的です。
(※このセリフは、原作と漫画をもとに要約したものです)

イケメンで明るい印象の裏に、「どうしてあの子が?」と感じてしまうような胸の奥の痛みが、視線や表情の変化からも伝わってきます。

【リオンまとめ】静かに耐えていた少年の本音

リオンは、映画では「器用でさわやかな少年」に見えるけれど、
原作や漫画を知ると、感情を呑み込んでしまうような、不器用な一面も見えてきます。

「日本に帰りたい」と、あるとき勇気を出して伝えたリオン。

その願いが思いがけず受け入れられたことで、リオンはようやく、自分の“本当の気持ち”にも向き合うことができたのでした。

あとり

明るくて、気を遣っているようには見えないのに……
いちばんそっと我慢してたの、リオンだったんじゃないかな。

フウカの“ツン”は、こじらせた自信のなさから?

映画では、おとなしくて引っ込み思案なイメージのフウカ。

ピアノが得意で、ちょっとお嬢様っぽい雰囲気も感じられますよね。

でも原作を読むと、「こんなに言い方キツかったっけ……?」と意外に思う人もいるかもしれません。

あとり

映画の“おっとり”フウカ、
原作ではまさかの“ピリピリ”モード!?

この章では、そんなフウカの描かれ方の違いを、作品ごとに見比べていきます!

原作フウカの“普通になれない”劣等感

原作のフウカは、ピアノ漬けの日々を送りながら、学校では浮いた存在。

自分でも「ピアノしかない」と思い詰め、努力が報われない現実に押しつぶされそうになっています。

母の期待に応えるため必死だった一方、学業や人間関係は置いてけぼり。

今さら取り戻せない学力や、周囲との距離感に悩み、自信を失っていく姿がリアルに描かれています。

そんな背景もあり、フウカの自己肯定感はかなり低め。

周囲への接し方も不器用で、ポーカーフェイスな反面、思っていることがつい態度や口調に出てしまうことも。

ウレシノには「ばっかみたい」「イライラする」といったトゲのある言葉をぶつけたり、ときに突き放すような口ぶりを見せ、
その強めの態度に、こころが思わず距離を取ってしまう場面も描かれています。

その後、アキが間に入ってくれたことで、女子3人の関係は少しずつ変化。

打ち解けてからも、フウカとアキのあいだには時おりピリッとした空気が流れることもあります。

映画のフウカはツン成分ひかえめでやさしげに

映画のフウカは、口数も少なくて、声も小さい子。

登場時はムスッとした様子や、ウレシノへのちょっとツンとしたセリフもあるけれど、
全体的には“控えめでおだやか”なキャラクターとして描かれています。

ウレシノとの関係も、自然に恋愛っぽくなる描写はありますが、「ツンツンしてた子が徐々に心を開いていく」という流れはカット気味。

最初はちょっと拒否してたのに、気づけば両想いになっていた……そんな印象が残ります。

学校に行けなくなった理由も、
「ピアノを頑張っているのに報われない」→「学校でからかわれる」→「母とフリースクールへ」
という流れに変更されていて、さらっと描かれる程度に。

原作のように、母に内緒で喜多嶋晶子を訪ねるなどの必死な行動も描かれず、
彼女の葛藤や苦しさは、やや控えめな表現になっています。

漫画のフウカは“ぶっきらぼう”の奥にかわいさアリ

漫画のフウカは、原作に近いクールで無愛想な雰囲気。

ぱっと見は優等生っぽい印象ですが、表情は硬く、セリフにも感情がストレートに出ています。

嫌なことにはきっぱりNOを出す一方で、自己肯定感の低さからくる不安やイライラが、つい態度に出てしまうことも。

ウレシノに対しては最初かなり強く反発していたものの、彼がフウカに気持ちを向けてからは、少しずつ態度にも変化が見えてきます。

ぶっきらぼうな中に、ときどき見える照れや本音。

漫画では、そんな“ツンの奥の可愛げ”がぐっと伝わってきます。

【フウカまとめ】“こじらせ気味”な心に、ふれるなら原作で

映画のフウカは、控えめで口数も少なく、落ち着いた雰囲気の女の子でした。

でも、原作や漫画ではもっと感情が態度に出やすく、不器用で、自己肯定感の低さに揺れる姿が描かれています。

そんな彼女が、少しずつ人との距離を縮めたり、自分の弱さと向き合おうとする姿には、じんわりくるものがあるはず。

“こじらせ気味”な想いが、すこしずつほどけていく。そんなフウカの心の描写は、原作や漫画ならではの魅力です。

あとり

わかると、守ってあげたくなるよね……あのツンツン。

ウレシノは惚れっぽくてまっすぐ!映画・原作・漫画で“告白”の違いにも注目

映画では、ウレシノは人懐っこくてどこか憎めない、ムードメーカー的な存在。

でも原作を読むと……?“恋愛至上主義”っぷりにちょっと驚くかも!?

あとり

推し変ペース早すぎて、逆に清々しい……?

原作のウレシノは、メイワクなくらいの恋愛体質!?

原作のウレシノは、とにかく惚れっぽい!
気になる子には距離感ゼロの猛アタックで、つきまとい質問攻めも、おかまいなし。

そのしつこさに、こころはお城に来られなくなるし、フウカからはバッサリ拒絶されるほど……。

そんなマイペースなウレシノだけど、
「フウカちゃんだって、かわいい女の子の一人だと思うけど?」(※セリフは原作小説より要約)とまっすぐ伝えたり、
さりげなく誕生日を覚えていて花を贈ったりと、思いやりを見せる場面も。

まっすぐで、“しつこさ”さえなければ意外とモテたかも?

映画のウレシノは“しつこさ”控えめで、より好印象に

映画のウレシノも惚れっぽさは健在。

でも原作ほどグイグイ行かず、可愛げのある“ちょっと残念な男の子”として描かれています。

「どこに行ってもいじられてしまう」ことに傷ついていたり、学校に行ってボロボロになって帰ってくる場面も。
ただ、心情の深掘りは控えめで、ややあっさりとした印象になっています。

フウカとは、気づけば自然に両想いに。
ラストでの控えめな告白も、照れながらの優しさがにじんでいます。

漫画版ウレシノは、優しさがじんわり伝わるキャラに

漫画のウレシノも、基本は人当たりのいい“キャラ枠”

思いが強くなるとつい暴走しがちだけど、どこか放っておけない感じが魅力です。

素直に気持ちを表現できるタイプで、恋愛はもちろん、友達への思いやりやまっすぐな人柄も、ていねいに描かれています。

【ウレシノまとめ】フウカへの“告白”、3パターン全部ちがう!?

どの作品でも、ウレシノのまっすぐな想いは変わりません。

でも、ラストの告白シーンは映画・原作・漫画でそれぞれ違うんです!

気になった方は、ぜひ見比べてみてくださいね。

あとり

結局、ウレシノがいちばん“青春”してたのかも?

まとめ『かがみの孤城』映画と原作・漫画を見比べて気づく、キャラの奥深さ

映画『かがみの孤城』では、キャラクターの心情や背景、そして時にトゲのある一面がやわらかく描かれています。

そのぶん、作品全体が安定して観やすく、感情的な負荷も少なくなっているのかもしれません。

けれど原作や漫画では、それぞれの“言葉にならない想い”が丁寧に描かれていて、より深く物語を味わうことができます。

映画・原作・漫画、それぞれがまるで“別の作品”のように楽しめるのも『かがみの孤城』の面白さのひとつです。

今回は筆者の主観でキャラたちの描かれ方を見比べてみましたが、感じ方は人それぞれ。

映画を観て気になった方は、ぜひ原作や漫画も手にとって、いろんな“鏡の世界”をのぞいてみてくださいね。

あとり

ぜんぶ見比べると、推しキャラの見え方もガラッと変わるかも!

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