
スバルくん……どうしたのその髪!?
映画『かがみの孤城』に登場するスバル。
「急にイメチェンしてるけど、なんで?」と驚いた方も多いはず。
実は、原作を読むと“そうなる理由”がちゃんと描かれているんです。
今回は、スバルの見た目の変化と学校に行けない理由について、原作の補足もまじえながら解説していきます!
『かがみの孤城』スバルが金髪に!学校に行けない理由って?



金髪と不登校の理由、
ちょっと切ないかも……。
スバルが見た目をガラッと変えたり、学校に行けなくなったのは――
- 放っておかれがちな家庭環境
- 無視できない影響力をもつ兄の存在
といった複雑な事情がありそうです。
映画では、このあたりの事情を感じさせるシーンが、控えめに描かれています。
『かがみの孤城』スバルの金髪と学校に行けない理由を考察|映画のシーンは?
スバルが金髪になったのは、物語の中盤あたり。初めて観た人は「えっ、どうして急に!?」って戸惑っちゃいますよね。



おとなしそうと思ってたけど
……まさかの派手キャラ、だったの?
まずは、そんなスバルの第一印象を見てみましょう!
いかにも真面目そうで、口調も穏やか。
だからこそ、イメチェン後とのギャップに驚かされます。
ここからは、その“違和感”のもとになっている映画の描写や、さらっと流されてしまった背景を、少しずつ見ていきましょう。
金髪スバル、なぜ急に?
8月のある日。城にやってきた、こころ達が見たもの――それは、髪を脱色して金髪になったスバルの姿。ピアスまで開けているみたい……。
夏休みだからと言うスバルに対して、
夏休みって、もう終わりじゃん……?と、マサムネがツッコミを入れます。
中身はそのまま、見た目だけ激変



見た目は派手になったけど、
中身は全然変わってないよね~!
スバルに変化があったのは、あくまで見た目だけ。態度が変わったり、素行が悪くなったわけでもなさそうです。
ここが、「え、なんで金髪?」と違和感を覚えるポイント。
映画ではスバルの心情の変化や、きっかけとなる出来事がわかりませんよね。
家のほうに問題アリ?
スバルの家庭事情が描かれるのは、物語終盤の【記憶の断片】シーン。
ドライヤーで金色になった髪の毛を乾かすスバル。祖父に怒鳴られ、嫌みを浴びせられます。
「兄弟そろって親父に似て……!どうしようもない!」
映画『かがみの孤城』より
ここでわかるのは、おそらく家庭環境が劣悪であるということと、同じく問題を抱えてそうな兄がいるということだけ。



え、これでスバルのシーン終わり!?
疑問が不完全燃焼っ!!
以上が、映画で描かれたスバルの事情です。ちょっと物足りなさを感じますよね。
だからこそ、原作で描かれている背景が気になってきます。
ということで、原作の描写もヒントにしながら、スバルの“金髪”と“学校に行けない理由”をもう少し深掘りしてみましょう。
『かがみの孤城』スバルの金髪と学校に行けない理由を考察|原作でわかること7つ



映画でスバルの描写、
ちょっとうすくなかった?
物足りなさの理由、それは「削られていたから」。
実は、原作は全554ページもある長編。
映画で描ききれなかったスバルの事情、その“削られた部分”にヒントがありました。
ネタバレを見ずに原作を読みたい方は、先に電子書籍などで読んでから戻ってくるのもおすすめです。
映画では描かれなかった背景やキャラの想いが、しっかり描かれています。
金髪の言い訳、映画と原作でズレてた!
映画では、「へへ、夏休みだし。」と笑って済ませていたスバル。実はこの場面、原作では描写が全然ちがうんです。
「兄ちゃんにやられちゃってさ。せっかくの夏休みなんだし、なんか変化つけろよって、半ば強制的に」
引用元:小説『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社)



えっ、あれって兄ちゃんに
やられた設定だったの!?
原作では、ここで兄の存在が初めて明かされます。ピアスに関しても、兄ちゃんとその彼女にやられた、とのこと。
しかし、これはスバルが付いた嘘の言い訳だったのです。
原作を読んでわかった、金髪の“ほんとうの理由”
金髪になった理由を“兄のせい”にしたスバルですが、本当はオキシドールを使って自分で脱色しています。
映画でのドライヤーのシーンは、髪を脱色しているところだったのですね。
「なんか変化つけろよ」という言葉。これはスバル自身の思いであり、髪を脱色した理由だったのでしょう。
笑えない家庭事情のハナシ
映画でもわかるとおり、スバルと兄は祖父母と生活しています。



そういえば、両親はどこに?
母親はスバルたちを置いて家を出ていきました。父親は今、再婚相手と一緒にいるそうです。
つまり、スバルたち兄弟は両親に捨てられたも同然で、祖父母と暮らしているということ。
守ってくれる大人がいない!
両親と離れて暮らすスバルですが、時々は父と会ったり連絡をとっているようです。
父はスバルたち兄弟のことを問題児だといい、自分の人生の責任は自分で取れ、と放置します。
なんとも無責任ですね。
祖父も、スバルに嫌みを言うだけ言って、特別なにかをしてくれるわけではありません。
スバルは、「自分のために必死になってくれる人は誰もいない」と思っています。
兄ちゃんの“巻きぞえ”で問題児?
ここからは、漫画版で描かれたシーンにも少し触れていきますね。



漫画って映画と違うのかな~?
(あとで読もう…)
スバルの兄は、どうやら筋金入りの不良みたい。
刺繡(ししゅう)入りの制服や、バイクを乗り回す兄……かなり荒れた雰囲気です。
そんな兄を持つスバルは、「弟だから」と年上のヤンキーたちに絡まれ、学校でも“あの兄の弟”ってだけで問題児扱いに……。
気づけば不良の輪の中に
不良である兄のとばっちりを受けるスバル。
仲間内のトラブルに巻き込まれたりもしますが、けっきょくは兄の不良仲間たちとの関係を断ち切るつもりもなさそうです。



現実での“唯一の居場所”だったのかな。
また、兄に「つまんない奴」と思われていることを気にする場面も。
兄にだけは、認めてほしい気持ちがスバルにはあるのかもしれません。
そして、自暴自棄
家庭内外であらゆる事情を抱えていたスバルは、次第に自暴自棄になっていきます。
やりたいこともないし、叶えたい願いもない。
自分はどうなったっていい。どうだっていい――小説『かがみの孤城』より、文意を要約・接続
そんな風に思っています。
結局、スバルが学校に行けなくなった理由は?
ここまで原作小説と漫画の描写をもとに、映画で描かれなかったスバルの事情について深掘りしてきました。



学校に行けなくなったきっかけ
って、なんだったのかな?
スバルが語った“不登校のきっかけ”
スバルは中三に上がるタイミングで雪科第五中学校に転校してきます。祖父母の家に引っ越すためです。
家庭の事情で仕方なく転校したスバルは、最初からあまり学校に行きたくなかったんだそう。
不良に絡まれ、問題児という目で見られ――。少しサボってみたりしているうちに、学校に行きにくくなってしまったんですね。
行けない、わけではない……?
スバルは、過去に一度教室まで登校したこともあるんです。
三学期はじめの1月10日。マサムネの頼みを受けて、城のメンバーは学校に足を運びます。
「教室までは、ちょっと……。」とためらう他のメンバーとは対照的に、スバルは自分の教室に向かい、マサムネの教室まで探しに行く余裕を見せます。
しかも、金髪のままで。



金髪の三年生が教室にきたら、
そりゃビビるよね(笑)
もしかしてスバルは、学校に行けないんじゃなくて、“行かない”選択をしている可能性もありますね。
まとめ『かがみの孤城』スバルが金髪に!学校に行けない理由って?
スバルの「金髪の理由」と「学校に行けない理由」、振り返ってみましょう。
- つまらない日常に変化をつけたかった
- 兄に認めてほしい気持ちがあった
- 転校先の学校に、そもそも行きたくなかった
- 兄のせいで“問題児”扱いをされて、学校に馴染めなくなった
- 実際、不良グループとつるむようになった
- 全てどうでもよくなってしまった



スバルくん、ただの
金髪イメチェンじゃなかったんだね……。
映画では描ききれなかった“背景”が、原作や漫画ではしっかり描かれています。
映画で感じた「なんとなく気になる」が、「なるほど」に変わるはず。
気になった方は、ぜひ原作や漫画も読んでみてください。
▼『かがみの孤城』をもっと深く楽しみたい方へ
U-NEXTでは、映画にくわえて原作小説や漫画版も楽しめます(時期により変動あり)
※映画は見放題対象、原作・漫画は個別購入またはポイント利用が必要です。
※最新の配信状況は、U-NEXT公式サイトをご確認ください。