
スバル、“ゲーム作る人になる”って言ってたけど……。
なんで“自慢して”って言ったの?
ただの夢ってだけじゃない気がするんだよね。
映画『かがみの孤城』では、スバルがマサムネに「僕、ゲーム作る人になるよ。だから自慢してよ」と、さらっと口にするシーンがあります。
一見すると、ちょっと唐突にも思えるこのセリフ。
実はこのひと言には、映画では描かれていない想いと、スバルとマサムネの“ある約束”が隠れていたんです。
スバルのセリフに込められた本当の意味とは?映画では明かされなかった、二人の絆に迫ります。
『かがみの孤城』スバルの夢はゲームを作ること?映画でマサムネへの“自慢してよ”が突然すぎるワケ
スバルがマサムネに言った、ゲーム作る人になるから、自慢してよってセリフ。
でも映画のこのシーン、ちょっと急展開かも?と思った方もいるはず。
ふたりがゲームで遊んでる場面も少なかったし、スバルの「ゲームが好き」って気持ちすらも、突然に感じるかもしれません。
この章では、そのセリフにつながる映画のシーンを振り返りながら、“ある伏線”のヒントも少しだけのぞいてみます。
ゲーム好きな描写、少ない?



スバルって、いつからそんなに“ゲーム好き”だったの?
映画では、スバルがゲームで遊ぶシーンはほんの一瞬。
マサムネのゲーム機を借りていた様子はあるけれど、ふたりで向き合って遊んでいたのは“詰将棋”。
スバルが「ゲーム好き」という印象は、あまり強くありません。
でも、たった一度のあのシーンには、大事な意味が込められていたのです。
将来の夢、きっかけはマサムネ?
映画の中盤、スバルがふと口にした進学についての話。
ここでは、彼がゲームやコンピューターに興味を持つきっかけがチラッと語られています。
「僕、マサムネに教えてもらわなかったら、コンピューターゲームの面白さ知らなかったよ」
(中略)
「僕、コンピューターおもしろいなって。ちゃんと勉強したいなって思って、進学することにした」
映画『かがみの孤城』より
スバルの“夢”は、マサムネとの時間の中で自然に芽生えたものだったんですね。
実は伏線だった!?名前に隠されていた真実
スバルが、「ゲーム作る人になる」と宣言したあのシーン。
その直前、城のみんなが自分のフルネームを言い合う場面がありました。
ここで初めて明かされる、スバルのフルネーム。



スバル……六連(ろくれん)…?
その名前、どこかで聞いたような……
そう、中盤にマサムネが何気なく言っていた“あのセリフ”。
実は、スバルの正体に関わる伏線になっていたんです。
『かがみの孤城』の“ナガヒサロクレン”ってだれ?スバルとどうつながるの?
クライマックス近くで明かされる、スバルの“もうひとつの名前”。
そのヒントは、よくみると映画の中盤からしっかり描かれていました。
『スバル=ナガヒサロクレン』という関係が、どのように語られていたのか?
ここでは、映画にちりばめられたヒントを整理してみましょう。
“ナガヒサロクレン”はいつ登場してた?



そうそう、ナガヒサロクレン!
……あれ、どこで名前出てたんだっけ?
この“ナガヒサロクレン”という名前、映画の中盤でマサムネがパラレルワールドについて話すシーンに、ひそかに登場していました。
「えっ?知らないのかよ?『ゲートワールド』。今、超売れてるプロフェッサー・ナガヒサのゲームで、俺の知り合いが知り合いで、特別に先行モニターもやった」
スバル「ナガヒサ……?」
「ナガヒサ・ロクレンだよ!ゲーム会社ユニゾンの天才ディレクター!」
映画『かがみの孤城』より
スバルの「ナガヒサ……?」という反応。何気ないやりとりに見えても、実は伏線になっていたんです。
“ナガヒサ”という名前にスバルが反応したのは、自分と同じ“名字”が出てきたことに引っかかったからかもしれません。
そしてそのあとに「ナガヒサロクレンだよ!」という言葉が続いたことで、スバルは気づくのです。
それが“自分の本名”と深くつながっている名前だということに――。
スバルの“名前の由来”に答えが……
物語の終盤、名前を教え合うシーンで、スバルの本名がようやく明かされます。
――長久 昴(ながひさ すばる)。
その名前に反応し、不思議そうにつぶやくマサムネ。
「ナガヒサ…スバル?」
するとスバルは、こう答えました。
「うん。別名、六連星(むつらぼし)。ロクレンセイ」(映画『かがみの孤城』より)



ロクレン……!ここでつながった!
“スバル”って星の名前だったもんね
そう、ここで“ロクレン”という名前の由来が語られるのです。
この時点で、“ナガヒサ・ロクレン”と“長久昴”がつながり始めますが、もうひとつ大事なヒントが残っています。
それは、スバルとマサムネの、ふたりの「年齢」の差でした。
時間がズレてる?年齢の差に注目!
ふたりは同じ“孤城”で出会い、同じ時間を過ごしているように見えます。
でも現実世界に戻ると――ふたりの“今”は、まったく違う時代だったのです。
映画のラストで、その時代の差が明らかになりました。
スバルとマサムネの年齢と“今”を整理してみましょう。
スバル | マサムネ | |
年齢 | 15歳 (中3) | 14歳 (中2) |
“いま”の時代 | 1985年 | 2013年 |
2013年時点での年齢 | 43歳 | 14歳 |
マサムネの“今”が2013年、スバルの“今”は1985年。城では同じ中学生でも、ふたりの間には28年という時間の差があるんです。
――つまり、マサムネにとってスバルは過去から来た中学生。
そして映画の中盤、まさむねがぽろっと口にしていたゲームクリエイターの名前が「ナガヒサロクレン」だったことを思い出すと……
そう、お城でマサムネの隣にいたスバルは、“中学生時代のナガヒサロクレン”だったんです!
映画では語られない“約束”の真相



スバルがナガヒサロクレンだってことはわかったけど、どうして“自慢して”欲しいの?
スバルの本名「長久昴(ナガヒサスバル)」には、“六連星(ロクレン)”という意味が込められていました。
映画の中で、スバルがマサムネに伝えたのは「名前」だけ。
そして、その直後のスバルのセリフ。
「僕、ゲーム作る人になるよ」
「だから、自慢してよ」
映画『かがみの孤城』より
このやりとり、映画では少し唐突に感じてしまいますよね。
実は、原作ではふたりの間に交わされた約束が、しっかり描かれているんです。
『かがみの孤城』原作で判明!マサムネの“嘘”とスバルの“ゲームの約束”
映画では、スバルとマサムネが仲良くなる過程が描かれないまま、
スバルが突然「ゲームのおもしろさ教えてもらったから進学する」と言い出したり、
マサムネの“嘘”についても、一瞬サラッと触れられるだけ――。



夢を語るシーンは、感動的ではあるけど……
なぜスバルはマサムネに、“自慢してほしい”という気持ちを抱いたのか。
少しわかりづらく感じた人もいるかもしれません。
でも原作では、ふたりの友情がもっと丁寧に、そして繊細に描かれているんです。
そこには“嘘つき”と呼ばれていたマサムネと、
“ゲームを作る人になる”という夢を持つスバルの、優しい約束の物語がありました。
スバルにとっての“きっかけ”
城で出会ったスバルとマサムネは、出会ってからわずか二週間で、一緒にゲームで遊ぶほど仲良くなっていました。
最初のふたりの目的は、“願いの部屋の鍵”を探すこと。
誰かが鍵を見つけて願いを叶えてしまうと、城は閉じてしまい、もう来られなくなる――
だからこそ、できるだけ長くここで過ごすために、ふたりは協力していたのです。
やがてマサムネが持ち込んだテレビとゲーム機で遊び始めるふたり。
「ゲームの間」と名付けられた部屋で、ふたりは毎日のように一緒に遊びます。
家にゲームがなかったスバルは、ここで“ゲームって面白い!”と夢中に――。



スバルに“夢中になれるもの”を教えてくれたのが、
マサムネくんだったんだね!
スバルの変化、マサムネの戸惑い
ゲームをきっかけに仲を深めていったスバルとマサムネ。
でも、スバルが見た目を大きく変えた頃から、ふたりの間には少しずつ距離ができていきます。
髪を脱色し、普段なら関わることのないような派手な見た目になったスバルに、マサムネはどこか戸惑いを感じてしまうのです。
そんな中、マサムネが「一日だけでいいから、学校に来て」とみんなに頼んだとき――
まっさきに応えたのはスバルでした。
マサムネが本当に無理だったときの“逃げ場所”になれるように、自分の教室で彼を待つスバル。
やがて姿を見せないマサムネを心配して、マサムネの教室まで探しに向かう姿も。
変わったように見えても、スバルの中でマサムネの存在は、ちゃんと特別なままだったんです。


ホラマサと呼ばれたマサムネの過去
映画では、マサムネが「ホラマサ」と呼ばれていじめられていたことがわかる回想シーンがあります。
机には「ホラマサくんはウソつきです」と彫られ、「オレ、ゲーム作ってる知り合いがいてさー」といった発言をしていたことも描かれています。
原作でも同じような描写がありますが、印象的なのはマサムネが自分から“嘘”を認めて、仲間たちに打ち明ける場面があること。
「――ホラマサ……って、呼ばれてんだ。オレ」「ほらまさ。ホラを……嘘をつく、マサムネだから」
「……お前たちに、このゲーム、作ったの、オレの友達だって言ったこと、あったよな。あれ、嘘。ごめん」
引用元:小説『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社)



ちゃんと自分の言葉で謝れたマサムネ、すごく勇気出したんだよね。
「ゲーム作ってるオレの友達」
城の最後の日、長く過ごした“ゲームの間”の片づけをするスバルとマサムネ。
なにげない会話の中で、「――僕、なろうか」とスバルが話し出します。
「目指すよ。今から。“ゲーム作る人”。マサムネが『このゲーム作ったの、オレの友達』ってちゃんと言えるように」
引用元:小説『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社)



これ、映画の“自慢してよ”のシーンだ!
スバル、マサムネの“嘘を本当に”しようとしたの?
やりたいことなんてなかったスバルが、マサムネとのやりとりをきっかけに、初めて目指したい未来を見つけます。
そして、こう約束するのです。
「たとえ、僕やマサムネが忘れても、マサムネは嘘つきじゃない。ゲームを作ってる友達が、マサムネにはいるよ」
引用元:小説『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社)
まとめ 映画『かがみの孤城』“自慢してよ”に込められた、スバルの想いと“未来の約束”
スバルが未来で“ゲームを作る人”になると決めたのは、マサムネへの感謝と、友情の証を形にするためでした。
原作では、ふたりが過ごした時間や会話の積み重ねが丁寧に描かれていて、
だからこそ、映画での「ゲーム作る人になるよ」「自慢してよ」という一言が、スバルの想いをぎゅっと詰め込んだ言葉なんだとわかるのです。
- “目指す理由”をくれたマサムネへの感謝
- その絆を未来で形にするための約束
- マサムネの「嘘」を“本当に”しようとした
- 「マサムネはもう、嘘つきじゃない」と伝えたかった
スバルは未来で“ナガヒサロクレン”となり、マサムネとの約束をちゃんと果たしました。
記憶は消えてしまったふたり――
でも、その“絆”は消えることなく、未来へとつながっていたんですね。



えっ、忘れてたのに、約束は果たしてたの……?
なんかもう、泣いちゃう……
▼もっと深く、ふたりの友情に触れてみたいなら漫画版もおすすめです。
原作の感動が、やさしい絵柄でていねいに、繊細に描かれています。
漫画でしか見ることのできない描写もあり、また違った感動に出会えるかもしれません……!
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